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SSDの障害・データ復旧

メディア解説:SSD:SSDの障害・データ復旧

アメリカのデータ復旧会社が2011年に発表した調査結果では、パソコンでデータ消失を経験した人のうち、SSDで経験した人が約15%という割合を占めています。障害の内容としては、一番多いのが、ファームやシステムエリアに書かれている情報の障害で約65%、次いでファイルシステム/OSの不具合で15%、誤操作が10%、物理的な破壊が10%、半導体チップの障害が5%の順となっていて、メモリチップそのものの故障はあまり多くはありません。これをHDD比較すると、HDDの場合は機構や部品が原因に含まれるリードエラーと、ヘッドそのものの障害を除外すると、全く同じようにファームやシステムエリアに書かれている情報の障害が最も多い障害となります。

ファーム/システムエリアに書かれている情報: 以下のような情報が代表的な例です。

①SSDの仕様に関する情報(型番/シリアルナンバー等)
BIOS画面などで表示される情報。
②不良セル情報
製造段階で生じた不良セルに関する情報(リスト)、出荷後に生じた不良セクタに関する情報(リスト)
簡単に言うと、工場の検査で不良セルして検出されたセルの情報と、使用中に不良として検出され、予備のセルと置き換え処理が行われたセルの情報です。当然使用時間が長くなるのにつれて情報量が増加します。
③ファームウェア情報
ファームウェアを管理する番号や、メモリチップの使用法(例えば、複数のチップをストライピングする場合のチップの順番やブロックの長さ)や、ウェアレベリングの動作に関する詳細な情報など。
④マッピングテーブル
ウェアレベリングなども含め、メモリチップ内部のセルの物理番号と、実際の論理番号の置き換えに関する情報、データテーブルなど。
⑤セキュリティ情報
パスワードや暗号化に関する情報など。

(注:これらの情報の種類や内容について規格化された取り決めのようなものは一切存在しませんので、メーカや型番、ファーム、製造時期などによって差があることが予測されます。この情報の正誤に対する保証は一切出来ません。)

これらは、SSDのコントローラチップが、これらシステムエリアに書き込まれた情報を読み取って、実際の動作することになるので、この情報がいかに大切で、一部が欠けたりすると、SSDの動作に障害が発生することは簡単に想像できるのではないでしょうか。

SSDのデータ復旧

①コントロールチップの壊れていない場合
この場合のSSDのデータ復旧は、HDDの論理障害の場合と同じように、コントロールチップを介して読み出したデータに対して論理処理が行われる。
②コントロールチップが壊れている場合
以前は、使用されていたコントロールチップと互換性を持つコントロールチップの搭載されている基板にメモリチップを載せ替えたり、逆にコントロールチップの載せ替えを行うことでデータの復旧作業を行うのが当たり前だったが、最近は専用の設備・装置を使用してメモリチップから“生データ”を直接回収し、コントロールチップの詳細な働きと、実際に使用されているファームの詳細内容を、専用の設備・装置を使ってエミュレートして、データファイルに復旧させることが可能な場合もある。
但し、これはファームの内容が確実に把握できていることが条件であって、現実にはファームの種類が非常に多いため、どのデータ復旧業者でも可能であることではなく、またどのメーカのどの機種でも可能ということでもありません。また、最近はコントローラとメモリチップがワンチップ化されたり、更にそのワンチップ化されたチップに別のコントローラを加えた2重構造のコントロールを行ったりしているものも散見されるので、データ復旧業者にとっては技術的に不可能という診断を下すところも多いことでしょう。