メディア解説:サーバ:サーバとは
大型のコンピュータ(パソコンも含む)であれば、その実際の役割が何であれ、特に何も気にすることなく「サーバ」と呼んでいる場合も有りますが、本来、「サーバ」とは、大きさとは関係ないのです。
- サーバとクライアント
- 元々“サーバ”の名前が示すように、“サーバ”は、ネットワークで複数の“クライアント(端末機器)”とつながり、“クライアント”から“リクエスト(要求)”のあった“サービス(処理)”を“サーブ(提供)”する、機能から付けられたプログラムの名前だったのですが、それらのサービスを提供するホストコンピュータの総称として使われるようになってしまったのです。
- ネットワークコンピューティング
- 現在のように、ネットワークに繋がれた“クライアント”にOSがインストールされ、豊富な機能を持ち「分散処理」が可能になる以前のネットワークシステムでは、“クライアント”は、文字(コマンド)を入力し、中央のコンピュータ(メインフレーム)で処理された結果を、確認(モニタ、プリントアウト:ハードコピー)する機能しか持たないことが一般的だったのですが、パソコンの性能・機能が向上するのに従って、“クライアント”で処理が可能な範囲は、“クライアント”で独自に処理を行う「分散処理」を採用し、中央のコンピュータを小型化(ダウンサイジング)することで、より効率的に処理を行うことが一般的になったため、現在のような、「クライアント・サーバモデル」と呼ばれるシステムの構成が、企業内においてもネットワークコンピューティングの中心となったのです。
- サーバのハード構成
- サーバと言っても基本的な構成はパソコンと大差は無いのですが、複数のクライアントから要求されるタスクに対する処理を行う必要があるため、より高速な処理能力と信頼性そして、共用する必要のあるデータ容量も必然的に大きくなるために大きな記憶容量も同時に求められ、複数のCPUを搭載し並列処理を行うことによって高速な応答性を実現したメインボードや、複数台のHDDを搭載し、冗長性も併せ持ったRAIDシステムやディスクアレイシステムなどを採用すると共に、クライアントとは違い、その場で文字入力や結果の確認を確認する機能を持つことは要求されていないので、モニタやキーボードは必須ではなく、本体をラックにマウントする方法を採用するなどによって、収納するスペース効率も向上させることで、これらの要求を満足出来るようにしています。
- サーバのソフト構成
- サーバを構成する主なハードウェアがパソコンと大差ない以上、ソフトウェアの構成も、当然パソコンと同様となり、BIOS、OS、アプリケーションソフトの3重層構成であることが標準的になっていますが、特にOSについては、上記のようにハードウェアでの対応が必要な、標準的なクライアントには存在しない要素が求められているために、それらに対応できるように機能が強化された、サーバ専用のOSが準備され、それを使用することが多くなっています。