メディア解説:OS、ファイルシステム:種類と特徴
大枠として、Windows系、Mac系、UNIX(Linux)系の3種類に分けることが出来る。
1.Windows系
①FAT
「ファイル構造情報」としてFAT(File Allocation Table)を使用する。Windows 登場以前のMS-DOSに始まり、Windows9X系(Meを含む)までを中心に使用されたファイルシステムで、FD(フロッピーディスク)での使用を前提に開発されたため、管理領域に使用される容量が少なく、ユーザデータ領域の容量を大きく出来る特徴があるが、対応できる記憶容量制限が小さく、8.3形式のファイル名しか使えないなどの制限があったが、Windows95OSR2から機能が拡張された“FAT32”が導入され、容量制限が2TBまで大きくなり、ファイル名の制限も緩和されたため「メモリーカード」などの「可搬型半導体メモリ」用に普及した。更に容量制限を拡張した、“exFAT”も広く使われるようになっているので、Mac OSやLinuxでも使用可能であり、利便性が高い。
②NTFS
業務用のWindowsとして開発されたWindowsNT用のファイルシステムであるころから“NTFS(NT File System)と呼ばれる。「ファイル構造情報」として、MFT(Master File Table)を使用する。ファイルの変更履歴などの情報を保存するジャーナリング機能を持っているため、堅牢性が高く、WindowsXP以降は全てのWindowsに使用されている。
2.Mac系
①HFS
Hierarchical File Systemを省略した呼び方で、Mac OS7.61までに使用されていた、システム領域が「階層化」されていることが特徴のファイルシステムで、ユーザファイルも内部で「データフォーク」と「リソースフォーク」に分離されていて、Windowsの拡張子に当たるアプリケーションとの関連付けが、「リソースフォーク」によって行われていることが特徴で、Windowsを中心に開発された、一般的なデータ復旧ツールを行うと、「データフォーク」と「リソースフォーク」を別々のファイルとして認識してしまうことが多い。
②HFS+
Mac OS8.1で導入された“HFS”を拡張発展させたファイルシステムで、大容量対応と“FAT32”や“NTFS”と同様にロングファイルネームに対応した。更にMac OSX 10.2.2からファイルの変更履歴などの情報を保存するジャーナリング機能が導入されることによって、削除ファイルなどからのデータ復旧が容易になった。
3.UNIX(Linux)系
UNIX系はSolaris(Sun Microsystems)、AIX(IBM)、BSD(University of California, Berkeley)、UP-UX(Hewlet Packard)、SGI(Silicon Graphics)、Linuxなど種々存在するが、基本的には「ファイル構造情報」として“i-node”を使用し、Linuxで使用されている“EXT(extended file system)系”に代表される。
①EXT
EXT系の特徴は、Windows系やMac系のファイルシステムを認識することを主な理由として、またLinuxがライセンス費用を要求しない、フリーかつオープンソースなOSであることから、NASやCDブートが可能な「データ復旧ソフト」で、意識せずに使用しているOSで、初期の“EXT-1,2”は、Mac OSX 10.2.2以前のMac OSと同様にジャーナリング機能を持たず、削除(rmコマンドの実行)を行うと、ファイル構造情報であるi-nodeが完全に消去されてしまうために、データ復旧が困難であったが、“EXT-3”からジャーナリング機能が導入され、難点が改善された。
②XFS
Silicon Graphics社が大容量の記憶装置での使用を目的として1993年に開発が開始された64ビットのジャーナリングファイルシステムであり、最近はLinuxへの導入も進んだため、HDDを複数台搭載したNASなどにも多く使用され、身近な存在となっているファイルシステムであり、非常に堅牢性が高いことが特徴といえる。
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