メディア解説:オプティカル(光)ディスク:オプティカル(光)ディスクとは・種類
光ディスクの歴史は、1978年にPHLIPS(オランダ)が開発し、米国でMAGNAVOXブランドによりテスト販売されたVLP(Video Long Play)に始まるが、当初はデジタル記録ではなく、アナログ(ダイレクトFM)方式が使用され、読み取りに使用されていたのは、全長10cmを超えるガラス管の中でレーザ光を発生させるガスレーザ(ヘリウムネオンレーザ)と、ガラス製のプリズム、レンズを光学系に使用したピックアップを使用して、読み取り専用の直径30cmのディスクに記録されたデータを読み取る方式であり、その後種々の設計変更を行ったものが、パイオニア(日本)との合弁により再生専用のLD(LaserDisc)として正式に発売された。
デジタル記録方式のオプティカル(光)ディスクドライブは、1982年にPHLIPSとSONYの共同開発によって168,000円で発売されたCD(Compact Disc)プレーヤに始まる。ピックアップには、初期からVLPと異なり半導体レーザが採用されたが、光学系はガラス製のプリズム、レンズであり、質量が大きいためトラッキングサーボ性能に限界があり、ディスクを回転させるスピンドルや、ターンテーブルとディスクのチャッキングに精密な精度が要求された。その後、プラスチックレンズによる軽量な光学系を使用したピックアップが実用化されることによって、トラッキングサーボ性能が向上し、使用されている部品の精密加工の必要性が徐々に減ることによって低価格化、回転速度の高速化が進み、それまでデスクトップパソコンに標準的に組み込まれていた5.25インチのFDDに替わってCDドライブが搭載されるようになり一気に普及した。更により波長の短いレーザLEDの実用化によって、DVD、そして2014年にノーベル物理学賞を受賞した青色レーザLEDの採用によるBD(Blu-ray Disc)と大容量化が進んでいる。また、使用されるディスクも、当初は読み出し専用であったが、一回だけ書き込み可能(ライトワンス)な(-R)や、繰り返し書き込みの可能な(-RW)などの実用化によって記憶媒体としての地位を確立した。
オプティカルディスクの特徴
オプティカルディスクの記録層は、プラスチックの基板と保護層で両側を守られ、十分に隙間が確保された状態で光(レーザ)を用いてデータの書き込み、読み出しを行うので、外力や使用環境などの影響を受け難い特徴があり、読み出し専用の、“ROM”と称されるものと、書き込みが可能な“R”、“RW”を付加して呼ばれるものの2種類が存在する。
光ディスクの種類:(光の種類による分類)
- 第1世代
- 1980年代初期に登場したCD(Compact Disc)に代表され、赤外線半導体レーザを使用して読み書きを行う。直径12cmのディスクの場合で最大700MB程度の記憶容量を持つ。
- 第2世代
- 1990年代後半に登場したDVD(Digital Versatile Disc)に代表され、赤色半導体レーザを使用して読み書きを行う。直径12cmのディスクの場合で最大4.7GB程度(1面/層)の記憶容量を持つ。
- 第3世代
- 2000年代に登場したBD(Blu-ray Disc)に代表され、青紫色半導体レーザを使用して読み書きを行う。直径12cmのディスクの場合で最大25GB程度(1面/層)の記憶容量を持つ。
書き込み可能型の種類:(書き込み可能回数による分類)
ライトワンス(Write Once): 文字通り1回に限り書き込みが可能であって、長時間にわたる紫外線や、物理的な破壊に相当する障害を与えない限り情報を消し去ることが出来ないことが特徴であるため、アーカイブとして保存することが目的である用途に最適であり、“-R”、“+R” などの記号がメディアの種類に付加して表されている。
リライタブル(Rewritable): 磁気ディスクのように、消去、書き換えが可能であり、“RW”などの記号がメディアの種類に付加して表されている。記録層の反射率が“ROM”や“ライトワンス”より低いため、“RW”に対応していないドライブも存在する。
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