SSDの寿命はどれくらい?SSDの寿命に関する情報(SSDの特徴・データ記憶媒体比較・故障予兆・故障症状・寿命延ばす対策)
SSD(ソリッドステートドライブ)は以前と比べて販売価格も安くなり、パソコン内蔵ストレージとしてもHDD(メモリ)と並んで幅広く利用されるようになってきました。
HDDと比べてSSDは読み書き速度が速いという大きなメリットがあります。
しかし一方で、使用環境によっては寿命が短くなってしまうこと、故障した際に専門業者でないとデータ復旧が難しいことなどのデメリットも存在します。
今回は「SSDの寿命5年説は本当??」などSSDの寿命について取り上げ、SSDの延命方法、不具合への対処法についてご紹介します。
合わせて、SSDとHDDとeMMCの違いやSLC・MLC・TLC・QLCについても解説しています。
もし、現在SSD内蔵PCが立ち上がらない、外付けSSDが認識されないなどの症状があり、すぐに対処の必要があれば、DRAJ(※日本データ復旧協会)常任理事企業でありSSDのデータ復旧にも実績豊富なアドバンスデザインの無料診断へお気軽にご相談ください。
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出典:日本データ復旧協会会則
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SSDの寿命を左右する3つのこと
SSDの寿命を決める要素は3つ。書き込み回数、空き容量、そして使用時間です。
SSDはNAND型フラッシュメモリと呼ばれる、メモリーカードやスマートフォンの記憶媒体と同じタイプのメモリを使用しています。
データの上書きができないため、「データの空き容量に新しいデータを書き込み、前のデータを消去する」という動作をしますが、これがSSDの寿命に大きく影響してきます。
書き込み回数
SSDは書き込み回数が増えると、次第に劣化していく性質を持っています。
電子のやり取りでデータを記録していくSSDの構造上、頻繁に書き込みを行うと使用できないセルが次第に増えていきSSDの劣化が進んでしまうのです。
書き込みが可能な回数はデータの保持形式によっても変わります。
近年一般向けに広まっている、TLCと呼ばれる低価格大容量SSDの場合、1セルあたりの書き込み可能回数は1千回と言われています。
容量(空き容量)
SSDは全体のデータ容量が大きいほど、耐久度が上がるという特性があります。
空き容量が小さい場合SSDの場合「前のデータを消去してSSD内でデータの位置を整理する」という動作が頻繁に行われることでSSDの寿命を早めてしまいます。
元々は大容量のSSDでも空き容量が少なくなってくると、同様の状態になります。
使用時間
長時間使用すると、つまり寿命が近づくとSSDは劣化していきます。
長期間にわたって書き込みを繰り返すと、内部にあるトンネル酸化膜と呼ばれる絶縁体が電子の出入りによって劣化していき、次第にSSD内で使用可能なデータ容量が減少していきます。
SLC・MLC・TLC・QLCとは? 性能に違い
SSDには、NAND型フラッシュメモリの記録方式として、4つのタイプがあり、ます。SLCは価格が高い反面、最も性能に優れ、耐久性と信頼性に優れています。
SLC(シングルレベルセル、Single Level Cell)
最も耐久性が高いタイプです。1セルに電子が1つ入っており、セルの中の電子の有無で01が記録されます。
1セルに1ビットしか記録できないためデータ容量は少ないため高価ですが、10万回程度の書き込みに耐え、信頼性と速度は高くなります。
主に業務用として使用されています。
MLC(マルチプルレベルセル、Multiple Level Cell)
1セルに電子が2つ入っており、2ビット記録することができます。
SLCよりやや容量単価が下がる反面、書き込みの耐久性も1万回程度に下がります。
TLC(トリプルレベルセル、Triple Level Cell)
1セルに3ビット記録することができます。
さらに大容量化できるため1TB以上のSSDでも比較的手頃な値段で購入できる代わりに、1セルあたりの書き込み耐久性は1千回程度までに激減し、信頼性は下がります。
QLC(クアッドレベルセル、Quadruple Level Cell)
最新のSSDとして1セルに4ビット記録が可能なQLCが登場しています。
耐久性は落ちるもののより安価な大容量SSDとなっています。
SSDとHDDとeMMCの違い
記憶媒体には、SSDの他に最も普及しているHDD(ハードディスク)、スマートフォンやタブレット向けのeMMCがあります。
SSD(ソリッドステートドライブ)
NAND型メモリにデータを記録します。
高速で読み書きできる、広く使われているフラッシュメモリでです。
近年大容量化と低価格化が進み、HDDに並ぶ記憶媒体として認知されつつあります。
HDD(ハードディスクドライブ)
プラッタと呼ばれる円盤型の磁気記憶媒体に磁気ヘッドでデータを書き込み、出しするという構造上、読み出しするという構造上SSDに比べるとデータの読み書き速度が低速です。
複雑な構造をしており、SSDやeMMCにて比べて大型で重く、電源消費量が多いこと、衝撃に弱いこともデメリットです。
代わりに大容量のデータを保持するのが得意なので、速度にあまり影響されない画像や動画のバックアップ用などに向きます。
eMMC(embedded Multi Media Card)
eMMCはSSDと同様のフラッシュメモリを使用した記憶ストレージです。
SSDと比較すると読み書きの速度は劣りますが、消費電力は3つの記憶媒体の中で一番低く、SSDよりもさらに小型です。
そのため、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末に広く使用されています。
SSDの寿命はどれくらい? SSD故障の前兆とトラブル対策
SSDの寿命は意外と長い!?実際の寿命はケースバイケース
SSDの寿命は5年とされていて、これは機器の更新の目安として有効です。
安全にパソコンを使うためには、5年を目安にSSDを買い替えましょう。
しかし実は、SSDの具体的な寿命はメーカーも公表しておらず、各メーカー保証も1年から5年とばらつきがあるのが現状です。
2014年から2015年にかけて1年以上に渡る書き込み実験を行った海外のレポートでは、完全に機能しなくなるまで書き込み可能数は1000TB(テラバイト)以上という報告もあり、国内の使用実績からも十分な耐久性があることは証明されており、最新性能を備えたSSDであれば寿命は5年よりかなり長くなっていると期待できます。
ただし、SSDは使用環境によって寿命が早まることがあるので注意が必要です。
価格やメーカー、個々の製品によっても性能にバラつきがあります。
結局のところ、SSDの寿命は諸条件により異なるというのが事実です。
冒頭で述べたように、SSDはひとたび破損すると専門家でないとデータ復旧が難しいメディアでもあります。
ユーザーはSSDの状態を自分で管理・チェックする必要があります。
以下にご紹介するような故障の予兆があれば、寿命が近いと考えて早めに対策をとりましょう。
SSDの寿命が近いときの症状とその対策
SSDの寿命が近づいてくると、いくつかの予兆がパソコンに現れます。
- 処理速度が低下する
- 作業時にフリーズする
- SSDドライブが認識されない
- エラーメッセージが表示される
- ブルースクリーン画面(※)が表示される
※ブルースクリーンとは何らかの問題が発生したときに表示される、青地に白文字でメッセージが表示される画面です。表示を読み、エラーコードを確認しましょう。内容によってはSSDの寿命ではなくOS側の問題や、メモリの不良、仮想メモリの不足の可能性もあります。対処方法は以下の記事で解説しています。
上記のような現象は、SSD以外の部分に不具合が生じたときも起こりますが、一度でもこうした現象が起きた場合は、SSDの使用をいったん停止してSSDの状態をチェックする必要があります。
問題のあるSSDで読み書きを続けると状態が悪化し、保存されているデータも破損の恐れがあります。
フリーズのたびに再起動することも避けてください。
このほか稀に、全く前触れなしにSSDが故障する場合もあるようです。
したがって、何らかの気になる現象が起きた場合はもちろん、問題なく使用できている場合も定期的に、SSDの状態をチェックしておくことが大切です。
CrystalDiscInfoでSSDの状態をチェック
フリーソフト「CrystalDiscInfo」によりSSDの寿命とコンディションを測定することができます。
CrystalDiskInfoはディスクのS.M.A.R.T.情報(ディスク内で計測された電源投入回数や使用時間、温度など)を一覧表示させるので、ドライブ内でエラーの発生している箇所が確認できます。
診断の結果「注意」や「異常」のサインが出たときには、SSDの買い替えを検討しましょう。
SSDの異常が認められなかった場合は、パソコンのSSD以外の箇所に問題があるということになり、別の対処が必要となります。
以下の記事を参照してください。
パソコンが壊れたときの対処法。写真やデータの復旧方法について
「SSDの故障」が疑われる場合は、速やかに専門業者に相談
SSDに故障と思われる症状が認められる場合、そのまま使用を続けることは厳禁です。
使用を続行することで、故障の状態が悪化して修復が難しくなったり現在保存されているデータがさらに破損したりする恐れがあるからです。
そして、SSDはHDDよりもデータ復旧が難しいメディアなので、パソコンの取り扱いに自信がない人はひとまず使用を停止して電源を切り、外付けSSDの場合は接続を切って、専門業者に相談することを検討しましょう。
故障したSSDがパソコン内蔵で、かつ保証期間内であれば、まずメーカーに相談しましょう。
保証期間外であれば、SSDデータ復旧の専門業者への相談がスピーディーです。
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SSDの寿命を延ばすための対策
SSDが本来持っている寿命まで安定して使用するために、SSD全体のセルを均等に使うことが大切です。
そのためには、SSDへの頻繁な読み書きを減らすことが有効です。
SSDへの読み書き軽減のため、HDDとのハイブリッド化が有効
SSDを安定的に使用するためには、HDD(ハードディスク)を併用し、それぞれの得意な作業を割り当てることがおすすめです。
HDDに割り当て
- 頻繁にデータを読み書きするドライブ
- 速度を求めないソフトウェアのインストール先
- 長く保存したい写真、動画のストレージ
- 仮想メモリ(ページングファイル)(※)の設定
SSDに割り当て
- ゲームなど、高速で使いたいソフトフェアのインストール先
- OSのインストール先
- 処理速度を必要とする動画編集
※Windowsは物理メモリが不足するとドライブ内を仮想メモリとして使用します。
仮想メモリは高頻度での書き込みになるのでHDDへの設定がおすすめです。
上記のうち一部はシステム設定の変更が必要ですが、詳細なシステム変更は上級者向けなので知識のある方のみ行ってください。
初心者でSSD内臓のパソコンを使用している方は、外付けHDDを購入して併用すれば十分です。
日常的に読み書きして使用するファイル、および写真などの保存用としてHDDを使うようにすれば、SSDの寿命はかなり保てます。
空き容量を常に一定量確保する
空き容量が小さくなることは特定セルへの高頻度の書き込みを誘発し、SSDの寿命を縮めることに直結します。
SSDはHDDと違って上書きができないので、空き容量にデータを書き込んでから前のデータを消し、さらに内部で前にデータがあった位置に移動するため、空き容量が小さいと同じセルに何度もデータが書き込まれて部分的な劣化が進みます。
全体の約25%以上の空き容量を常に確保するように気をつけましょう。
室温などに留意し、適切な環境で使用する
HDDにもパソコン機器全般にもいえることですが、高温の環境や極端に低温(0度以下程度)の環境はSSDのパフォーマンスを低下させ、劣化の原因にもなります。
パソコンは温度管理された環境で使用しましょう。
また、急激な温度変化・高湿度・ホコリが多い環境も避けましょう。
《最後に》十分に対策をとってもSSDが故障することもある
SSD・HDDどちらにもいえることですが、環境を整えて使用しても破損することがあります。
こうした事態に備えるため、日ごろから重要なファイルはバックアップをとっておくこと、ストレージの寿命を考慮して買い替えをすることを心がけてください。
また、SSD・HDD価格の安さだけで選ばず、品質に信頼がおけるメーカーで実績のある製品を選ぶようにしましょう。
突然のトラブルによりSSDが故障してしまった場合は、専門業者への依頼をおすすめします。
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