vol.2 WindowsXPからのデータ移行手順とツール
WindowsXPの延長サポート終了に伴うリスクについて認識していただいたところで、既存環境から新たな環境に移行するための手順について紹介しましょう。
基本的には、OSが提供している移行ツールを使うのがシンプルでわかりやすい方法です。この移行ツールは「Windows転送ツール」と呼ばれており、Windows7及びWindows8に付属しているだけでなく、マイクロソフトのサイトからもダウンロードできます。この機能を使うことで、PCのアカウント情報やメールのアドレス及びメッセージ、インターネット設定、クッキー情報、マイドキュメント内のファイルなどを手軽に移行することができます。
ただし、自分で追加したアプリケーションやセキュリティ対策ソフトウェアなど、プログラムそのものは移行できないため、個別に移行する必要があることは事前に理解しておきましょう。
具体的には、新たな環境で提供されているWindows転送ツールを起動し、WindowsXPからの移行方法を選択します。選べるのは「転送ツールケーブル」「ネットワーク」「外付けハードディスクまたはUSBフラッシュドライブ」の3つの方法です。例えばUSBメモリで移行する場合は、USBメモリ経由でWindows転送ツールをWindowsXPにインストールし、情報を吸い上げた後に新たな環境に移し替えるだけ。ダイアログボックスの指示に従って作業を進めることで、データ移行をスムーズに行うことができます。
他にも、データ移行を可能にする様々な製品が市販されており、ケーブルを使って新旧PCを直接接続すれば必要な設定やデータを移行することができます。Windows標準の転送ツールと異なっているのは、個別にインストールしたアプリケーションソフトなども移行できることです。しかも新たな環境で使えるかどうかの判別もデータ移行ツールで判断してくれるため、スムーズに移行することが可能になります。
なお、データ移行後は古いPC内に残されているデータをきっちり消去しておくことが大切ですが、製品によってはデータコピーとデータ消去の両方の機能をもった製品も存在しています。データコピーについては、HDDのイメージそのものを丸ごとコピーすることが可能です。データ移行よりもHDDのキッティングという用途に用いられますが、ぜひ一度見ておくことをオススメします。