vol.1 対策はもう済んだ?WindowsXPの延長サポート終了
2014年4月にはWindowsXPの延長サポートが終了し、同時に「Office 2003」のサポートも終了します。また、2015年にはWindows Server 2003も同様にサポート終了が決まっており、多くの企業がクライアント環境及びサーバ環境の刷新を迫られている状況にあることはよく耳にされていることでしょう。しかし、実際にどんな影響があるのか、詳しく理解できていない方も少なくありません。そこで、そもそもWindowsXPの延長サポート切れが企業にどのような影響を及ぼすのか、見ていきたいと思います。
実際の利用されている方の中には「サポートが終了してもOSがすぐに使えなくなるわけではないので様子を見よう」と考えている方もいるはずです。事実、この記事を執筆している現在(2013年10月)でも、多くの企業や個人がWindowsXPを使い続けているのが現実です。しかし、この状態を放置すると非常に危険な状況に陥る可能性があります。
具体的なリスクとして挙げられるのが、セキュリティに関することです。一般的にOSに脆弱性などセキュリティ上の問題が見つかると、対処に向けたセキュリティパッチがベンダより提供されます。Windows OSでいえば「セキュリティ更新プログラム」というものがこのパッチにあたりますが、安全にOSを使い続けるためには欠かすことのできないもの。Windows XPの延長サポートが終了すると、このサポートが受けられなくなります。つまり、脆弱性が放置されたままPCを使い続けることになってしまうのです。悪意のある第三者に攻撃されることはもちろん、踏み台にされて犯罪者の片棒を意図せず担ぐことになってしまうことにもなりかねません。これをお読みになっている担当者の方にとっても他人事ではないのは十分ご理解いただけることと思います。
セキュリティ以外にも、周辺機器やソフトウェア、サービスなど様々なもので支障が出てくる可能性があります。今後新たに登場する製品では、WindowsXPのサポートを行うことはなくなるはずで、例えばプリンタなどではWindowsXPに対応したドライバが提供されなくなるなど、実質的に使えなくなることも。Webブラウザを例に挙げれば、FirefoxやGoogle Chromeなどは引き続きサポートが継続されますが、マイクロソフトが提供しているInternet Explorerは、IE9以降はXPに対応していないなど、対応状況が異なってきます。他にも、アップルが提供するデータ共有サービス「iCloud」などもWindowsXPでは使うことができません。
このように、WindowsXPに未対応なハードウェアやソフトウェア、サービスが増えてくることが予想されるため、新たな環境に刷新していく必要が出てくるのです。WindowsXPの延長サポートが終わるということのインパクトは決して小さくありません。
ここで忘れてはならないのが、WindowsXPが動作しているPCに残されているデータです。新たな環境への移行を考える際には、データ移行やデータ消去などを念頭に置きながらしっかりとした移行計画を立てる必要があるのです。
なお、OSのセキュリティパッチが提供されなくても、アンチウイルスソフトを利用すれば大丈夫と誤解している方もいるようですが、アンチウイルスソフトでは、新たに発見されるOSの脆弱性までカバーできる代物ではありません。環境を刷新する以外にリスクを軽減することは難しい状況です。